J. of Taroten

水環境学会シンポジウム(盛岡)+福島県震災伝承館(双葉)(C1面:旅行・出張, 2024.9.13-14)

岩手大学での開催

　シンポジウムの受付で，事務局の方に「来ていただきありがとうございます」と言われてしまい，「こいつ，用事もないのにやってきたな」という感じだったのかも。で，元京大の田中先生に「用事もないのに来てみました」といったら，「顔を合わせるのも大事な目的ですよ」ということでした。水曜日は大学で用事があったので，木曜日だけの学会参加です。本当は，金曜日の旧松尾鉱山中和施設(反応/沈でん/返送型の鉄酸化細菌処理のあと，中和(炭酸カルシウム)，凝集沈でん，というプロセス)の見学に参加したかったのですが，気づいたときには締切りを過ぎていました。

セッション報告，駆け足で

　熱帯，亜熱帯というきわものセッションでは，「ヤンバルクイナが捕食するマイクロプラスチックを調べたら，タイヤ摩耗片と 路面標示(ガラスビーズからの類推)だった」とか「琉球石灰岩質の地下水中からもマイクロプラスチックが検出され，地上からの浸透だった」とかいった発表がされた。この亜熱帯セッションでも，微生物セッションでも，PCE, TCE汚染土壌やトンネル掘削土壌を対象に，微生物による脱塩素化や微生物による還元を集積培養液を加える手法でおこなう研究(バイオスティミュレーションではなく，バイオオーグメンテーション)が建設会社や水処理会社から発表されており技術需要がかなりあるようだった。参加はしていないのだが，膜のセッションで，PTFE膜の安全性を PFAS と関連付けている発表があった。

帰りは，常磐線経由で原子力災害のその後を見学に行った

　盛岡開催の今回のシンポジウムでは，東日本大震災関連の発表や講演も見られたが，盛岡からの帰りに東北新幹線ではなく，常磐線回りで，福島第一 最寄りの双葉で下車して原子力災害のその後を見学してきました。あの頃の出来事，たとえば，計画停電，石原都知事が 金町浄水場 の水を飲んで見せた，とか，東日本大震災やその後の原子力発電所に関したいろいろなことを思い出すことができました。いちど，訪問されることをお勧めします。以下のように，公共交通機関(＋貸自転車)でもなんとか回れます。


岩手大の動物病院。産業動物棟(牛，馬)と伴侶動物棟(犬，猫)という分類が気に入りました。

岩手大の構内はヤブや低層建物が目立ちます。
昔の東大駒場キャンパスのよう



盛岡駅から岩手大に至る途中で災害運休中の山田線を渡る

北上川開運橋の脇にあるかつての鉱害の説明板



常磐線の津波からの移設復旧区間(浜吉田-新地)。
両線に出発信号機のある直線側を走行。

古くからの駅は原則75 km/h制限の両開き分岐。
長い編成の貨物列車(現在は単線区間から全廃)の交換に対応した施設。



仙台から原ノ町までは6両の各駅停車で移動。
亘理あたりまではけっこう乗っています。

双葉には特急も停車。



放射線量計の値が駅事務室(無人)に掲出されていました(双葉)

双葉駅は常磐線復旧の際に単線化。
右側のホームは使われていない。



双葉駅前広場にある町役場(左)

100円デポジットの実質無料でレンタサイクルを借りました。



双葉厚生病院。おそらく打ち捨てられた状態

帰還困難区域です。福島第一原子力発電所3 km圏。



植物って，どこでも茂るんだな，と思います。

東日本大震災・原子力災害伝承館に行きました。



たろてんが生まれた頃に福島第一の建設着手

地震(右の時計)から津波(左の時計)まで意外に時間があった。そのことが，悲劇を生んだケースもありました。



いろいろな大学がプロジェクトを実施しているようです。
写真は，伝承館内の東京農大のパネル。

今回の旅行では ルンバ の芝刈り版をよく見ます。
岩手大構内にもあった。



遠くに見えるのが，震災遺構の浪江町立請戸小学校

近づくとこんな感じです(有料施設)



いたるところで工事中です。

常磐線から見える海。おだやかな感じでした。