J. of Taroten

公衆衛生の授業を今年はじめて担当しました(C4面:大学教育, 2024.12.23)

はじめての授業は新鮮です

　同じ授業を何年もやっていると，少しずつ，つまらなくなっていきます。自分で自分の話にあきてしまう感覚ともいえるでしょう。そんな意味で，新鮮な体験として，ことしはじめて，「公衆衛生学」を担当しました。たろてんとしては，公衆衛生は「疫学，社会医学，集団の健康のための考え方」くらいの意味でとらえています。上下水道も公衆衛生分野です。看護師，栄養士，などさまざまな資格の要件になっている科目なので，標準教科書が整備され，その通りの授業を心掛けました。

使える資源は全部利用しました

　今回の授業では，本学の医療保健学部の梅田 勝 教授，川又 紀彦 教授の「公衆衛生学」の授業スライドをずいぶん参考にさせていただきました(お二人から快諾いただきました)。さらに，14回の授業のうち，2回は本学の今井名誉教授，1回は管理栄養士の後藤助教にお願いし，これも，ベストな内容につながったと思います。さまざまな疾病の統計だったり，生活習慣病の予防など教えながら新鮮な驚きの連続で，公衆衛生学は，「全国民が履修すべき生活の知恵だな」と思いました。

学生にとって役に立つのは50歳になってから？

　いま健康な若い学生にとって，公衆衛生学で扱われる内容が自分事になるのには時間がかかります。これは，「手をぐるぐる回したり，腰を回したりするラジオ体操を夏休みに毎日，小学生が集団でやっても役に立った感じがしない」のと同じです。しかし，ラジオ体操を小学生時代に経験することによって，老齢になってから，体のほぐし方がわかります。卒業して，何年もたって，自分が病気になったときに(うつも含めて)，この授業を少し思い出してもらえるとありがたいです。

授業アンケート(かっこ内はたろてんのコメント)

　先生は優しくて面白かった。授業の雰囲気も良かった。/ 社会問題などに友人と考える機会が多く様々な考え方に触れられた。/ 手を挙げさせるのはよくないとか生徒は好きじゃないなど言っていたのに結局手を挙げさせる授業を行うことが多かったが、今回の授業ではあまり手を挙げさせることはなく、矛盾が解消されていたため悪くなかった。(上から目線のコメントありがとうございます，手を挙げさせたりといったアクティブラーニングの手法を最近の学生の気質に合わせて今期から縮減し，友達との議論の時間にあてることにしました)/ 先生はいろんなことに配慮しながら講義してくれるので話を聞きやすかったし、理解しやすかった。/ 先生が楽しそうに授業していて、こちらも楽しく授業が受けれました。(こういうコメントがうれしいですね)/ いくつかの授業で実施していた文章で考えを記述する機会は、大変だが大事なことだと思った。/おもしろく楽しい講義でした！/ 今井先生が授業した講義資料を可能ならMoodleにアップしてほしいと思った(今井先生からはスライドをいただいているのですが，今井先生が学生に書き写されるスタイルで授業を展開されていたので，かえって，Moodle掲載しない方がいいかと思い，掲載しませんでした。教科書もあるので・・。)/ 朝ドラと大河ドラマ観てました。授業中にそのお話をしてくださって嬉しかったです。どちらも最終回、よかったです。(注: 「藤原道長が糖尿病だった」とか，そういう雑談です)/ とても分かりやすい講義でした。ありがとうございました。/ 知識だけでなくいろんなことが知れてよかったです。/ 中間テストがあったので期末テストの範囲が莫大な量にならなくて、とても助かりました。/ 講義の解説の仕方がかみ砕いてくれていて、とても分かりやすく、内容も教科書に沿っているので復習、ノート作成もしやすかった。しかし、面白い反面、ド直球に話したり、濁さないで言う部分もあったため、私はそこまで気にしないが、少し直した方が良いかもです。(そういうコメントはいつもいただきますね。けっこう気を付けてはいるのですが・・。)/ グループワーク楽しかったです。/ 毎授業の確認テストや中間の解説が丁寧で分かりやすかった。/ この講義を受けてから、これまで全く知らなかった公衆衛生という分野について少し理解できたような気がします。学生実験にも多少応用できるところがあって勉強して良かったと思いました。/ 手書きの提出課題が大変でした。