J. of Taroten

本学の排水処理施設の次世代シーケンサーによる菌叢解析(C2面:環境衛生工学, 2024.12.23)

次世代シーケンサーで群集組成を測ってみた

　本学八王子キャンパスの排水を処理し，トイレフラッシュ用水に再生利用する施設については以前にもリポートしました。この排水処理施設の活性汚泥の群集組成を 16S rRNA遺伝子V3-V4アンプリコン解析で調べたところ，門レベルで下図のようになりました。どこを測ってもいつも多数派を形成するProteobacteria (最近は，Pseudomonadotaという)が多いのはいいとして，また，トイレ排水の割合が高い高負荷処理なので，Bacteroidetesが多いのもいいとして，あまりなじみのないPlanctomycetes (Annamox細菌などが含まれる門)のメンバーも多くいるようです。


本学排水処理施設の活性汚泥の群集組成16S rRNA遺伝子V3-V4アンプリコン解析の結果

意図してアナモックス反応をさせているわけではないと思うが，・・

　こういうデータが1万円少々で採れてしまうところは，次世代シーケンシングのすごいところだと思います。本学の排水処理施設は意図してアナモックス反応をさせているわけではないのですが，負荷変動対策だったり，硝化脱窒の促進ということもあって曝気停止時間はあったりします。自然にアナモックスになっているのか，それとも，普通に活性汚泥にPlanctomycetes門の細菌が多くいるのか，いまのところたろてんは勉強不足でわかりません。排水処理の微生物生態系も奥が深そうです。


地下施設です

流入水量はお金のこともあるので計量します



微生物反応槽(エアレーションタンク)

仕上げの活性炭吸着塔