八王子市北野下水処理場の廃止直前の姿 (C2面：環境衛生工学，2020.10.26)

流域下水道編入のため2020年いっぱいで廃止されます

　それなりに大きい都市では，公共下水道として，市町村が事業着手したあとで，都道府県による流域下水道計画が策定され，市の中心部をカバーする公共下水道の処理区を囲い込む形で，流域下水道の処理区が周辺を排水区にするという，ややいびつな下水道計画が立てられたところも多い。八王子市も市の中心部の下水を北野下水処理場で処理してきたが，このたび，処理施設の老朽化などの理由から周辺の流域下水道へ編入されることになりました。

緩い雰囲気の処理場でした

　研究者の遊び発想では，サテライト処理場など小さい処理場によるミニ水循環が脚光を浴びるのですが，実際の下水道で生じていることは，大規模な処理場への統合で，その動きを見誤ってはいけません。この北野処理場の廃止でも，浅川の水がなくなる区間の拡大が問題になっているのですが，下水量が伸びない中にあっては，経営最優先，既存の流域下水道設備の有効利用という選択になるのでしょう。東京都の管理する下水処理場に比べて，この北野下水処理場ではいろんなところに緩い雰囲気が流れていて，好きな処理場だったのですが，残念です。在りし日の記憶をとどめておく意味で，学生ともども，写真撮影してきました。